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ameagari_fuhto 2022年10月20日(木) 16:19:09履歴
「銅錆。久しぶりね」
錆びついたトタンの倉庫から出てきたのは、「AKANO」と書かれたネームプレートを持つ誰か。その人の元へ銅錆は歩み寄り、顔一つ分というところまで近づいた。
「こいつがお前に用事があるらしい。それじゃ」
その言葉だけを残して、目を離した時にはすでにいなかった。
「やれやれ。あいつは昔から変わらないな……。 で、お前が静華か。いらっしゃい」
そう言い、手招きして倉庫のほうへと向かっていった。
少し困惑しながらも、私も倉庫へと駆けていた。
◆◇◆ ◆◇◆
倉庫の中には、色とりどりのカゴに入れられた野菜や果物が詰められている。
大根、キャベツ、みかん……
どれも色が鮮やかで丁寧に作られたことが見て取れる。
その様子を横目に、私はさきほどの人についていく。その先は、綺麗に整頓された部屋が広がっていた。
「紹介が遅れたけど、私は紅乃。農業地区の管理者ね。覚えておいて」
「はい……あ、それで……」
「鉱沙からでしょ? だいたいのことは聞いてるよ」
「そうです。この書類を……」
薄茶色のA4封筒をわたす。ぎっしりと書類が詰まっているのか結構重い。
紅乃さんは受け取ると丁寧に封筒を開封した。中から数十枚の紙と黒い箱が出てきた。
「『未知の鉱石について』……か。やれやれ、石についてはお前の方が詳しいだろ」
「未知の……鉱石……?」
「そうらしいぞ。……どうやら所持者が変わるごとに色が変化するらしい。試しに持ってみてくれないか?」
そう言って、白い机の上に黒い箱を置いた。どこにも文字は書いておらず、黒一色で染まっている。
その箱をゆっくりと手に運び、心臓の鼓動を感じながら箱を開ける。
綺麗な青色の結晶が一つだけたたずんでいる。
「これ……え?」
気になって手に取ると、触れたところからみるみるうちに紫色へと変化していった。
「ほう……なるほどね。で、鉱沙はこの石を知っているか、ということを聞きたかったわけか」
「……分かりますか?」
「いや、私は分からない……けど、知っていそうな人はいるね」
「本当ですか!?」
「ああ、後日行ってみるよ。……とりあえず、この書類は貰っておくね」
「はい。よろしくお願いします」
そのまま、私はこの倉庫から立ち去った。
◆◇◆ ◆◇◆
「……で、本当に知っている人は居るのか?」
「銅錆、いたのかよ」
背後からの声に私は振り向いた。
「安心しろ。私は顔が広いからね」
そう言う私を鋭い目つきで見た後。そうか、と一言置いたまま木の葉を撒き散らた。
目を開けた時、銅錆は居なくなっていた。
弱い風が吹く。
「やれやれ」
錆びついたトタンの倉庫から出てきたのは、「AKANO」と書かれたネームプレートを持つ誰か。その人の元へ銅錆は歩み寄り、顔一つ分というところまで近づいた。
「こいつがお前に用事があるらしい。それじゃ」
その言葉だけを残して、目を離した時にはすでにいなかった。
「やれやれ。あいつは昔から変わらないな……。 で、お前が静華か。いらっしゃい」
そう言い、手招きして倉庫のほうへと向かっていった。
少し困惑しながらも、私も倉庫へと駆けていた。
◆◇◆ ◆◇◆
倉庫の中には、色とりどりのカゴに入れられた野菜や果物が詰められている。
大根、キャベツ、みかん……
どれも色が鮮やかで丁寧に作られたことが見て取れる。
その様子を横目に、私はさきほどの人についていく。その先は、綺麗に整頓された部屋が広がっていた。
「紹介が遅れたけど、私は紅乃。農業地区の管理者ね。覚えておいて」
「はい……あ、それで……」
「鉱沙からでしょ? だいたいのことは聞いてるよ」
「そうです。この書類を……」
薄茶色のA4封筒をわたす。ぎっしりと書類が詰まっているのか結構重い。
紅乃さんは受け取ると丁寧に封筒を開封した。中から数十枚の紙と黒い箱が出てきた。
「『未知の鉱石について』……か。やれやれ、石についてはお前の方が詳しいだろ」
「未知の……鉱石……?」
「そうらしいぞ。……どうやら所持者が変わるごとに色が変化するらしい。試しに持ってみてくれないか?」
そう言って、白い机の上に黒い箱を置いた。どこにも文字は書いておらず、黒一色で染まっている。
その箱をゆっくりと手に運び、心臓の鼓動を感じながら箱を開ける。
綺麗な青色の結晶が一つだけたたずんでいる。
「これ……え?」
気になって手に取ると、触れたところからみるみるうちに紫色へと変化していった。
「ほう……なるほどね。で、鉱沙はこの石を知っているか、ということを聞きたかったわけか」
「……分かりますか?」
「いや、私は分からない……けど、知っていそうな人はいるね」
「本当ですか!?」
「ああ、後日行ってみるよ。……とりあえず、この書類は貰っておくね」
「はい。よろしくお願いします」
そのまま、私はこの倉庫から立ち去った。
◆◇◆ ◆◇◆
「……で、本当に知っている人は居るのか?」
「銅錆、いたのかよ」
背後からの声に私は振り向いた。
「安心しろ。私は顔が広いからね」
そう言う私を鋭い目つきで見た後。そうか、と一言置いたまま木の葉を撒き散らた。
目を開けた時、銅錆は居なくなっていた。
弱い風が吹く。
「やれやれ」