project史縫というシリーズについてまとめたwikiです。

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 風が肌を撫でたような感覚で目が覚めた。着ていた布団はベッドから落ちており、身体が異様に軽く感じた。手元の腕時計からは11時を示す時計の針。窓から見える空は晴天という言葉が一番似合うほど澄んでいて、流れる風がほのかに冷たい。
 起き上がろうとした時、手に何かが当たる感触がした。薄いけれど肌触りの良い何か。
「……手紙?」
 手元にあったのは、赤い蜜蝋で閉ざされた一通の手紙。裏には筆記体で何かしらの文字が書かれてある。何の思い当たりもないこの手紙を不審に思いながらも、ゆっくりとその封を開けた。

 Dear another me

 折りたたまれた紙の上に、震えた文字で書かれていた。







1. Silence Daybreak -Re life-
First_Reality.testament
 物語の中では、誰かを救うために自殺をする。なんてことが多い。だけど、正直言って馬鹿馬鹿しい。他人のための自分の命を投げ出そうだなんて、私には理解できなかった。
 その考えを変えたのが、彼女との出会いだった。

 彼女の名前はアメ。学校からの下校中。雨の日の路地裏に置かれたボロボロの傘の下でうずくまっているところを拾い上げた。
 その時から思った。

 「生きている」

 思い出せば、生まれてこの方ペットを飼ったことがない。親がペットを飼うことを禁止していた、というのもあるが。
 この時に初めて命に触れた。
 人間以外の、ペットの、今を生きている命に。

 それから、いろいろな場所に連れて行った。
 河原、海岸、森林、崖、高層ビル、病院。
 様々な風景を、アメと一緒に歩いた。

 ねえ、知ってる? アメ。
 雨あがりの空模様は、怖いくらいに綺麗なんだよ。
 吸い込まれそうなくらいに広がる空。私を連れてゆく風。
 いつか私も行くから。その時教えてね。

 初めての「REALiTY」は、どうだった?



2. broken music(DirtyLily RIMIX)
Gott_Ist_Tot.testament
神は死んだ。
というか、この世界に神なんて高次元の存在は居ない。
あるのはただ、永久に広がる無があるだけ。
この現実は、ただの幻覚なんだよ。

ただ、その幻覚は他のどの景色よりもきれいだ。
まるで薄汚れた百合の花を見ている気分だ。



3. world_data_debri(OverFlow ver)
NoticeTheSign.testament
わたしは、現実を生きるただの人間。
たのしいことも、生きる目標もない
しかばねと一緒のような身体。
はやく死にたいと思ったこともある。
しかし、私の身体はそれを拒否する。
ぬいつけられた糸のように、死にたくないという感情が固くつけられいる。



4. for my friend
recollection.testament
親愛なる友人へ

これを見ているということは、私はこの世界に居ないでしょう……なんて、君からしたらこんな定型文からはじまる遺書なんて見飽きただろう。
こんにちは[規制]君。急にいなくなってごめん。「死にたい」なんて言葉を発することなんてなかったもんね。
そんな私が死んだのには、少しばかし理由があるんだ。

私ってさ、「選ばれた人」らしいんだ。
といっても何かしらの能力があるわけでも特別な運命をたどるとかでもなんでもなく、ただただ生贄に選ばれただけなんだけどね。
私も正直生贄なんかに選ばれるとは思ってなかったよ。
だって、こんな何の能力もない平凡な人間が、世界70億人の中から選ばれたんだよ?
不思議すぎて……もう。
生贄と聞いて何を思い浮かべるかと聞けば、たいていの人は儀式のための生贄だと答えるだろう。
だけど私の場合、少し違うらしいんだ。
それが、「世界を再起動するためのスイッチ」としての生贄。-SWRS-、なんて呼ばれているらしい。
世界を再起動させるために私は死ぬ……なんてロマンチックな言葉なんだろう。

だけど、私の心にはほんの少しだけの恐怖がある。

私が死んでも、怒らないでね。



5. DISTORTED SOUND -CLXXIII-
isyo.testament
UNKNOWN ERROR
This testament is not broken.
But this data is broken.
0000:ON soundV(265)
0001:ON soundV(36)
0010:OFF soundV()
0011:ON soundV(265)
0100:ON soundV(265)
0101:OFF soundV(265)
0110:OFF soundV(265)
0111:ON soundV(265)
1000:ON soundV(1024)
1001:ON soundV(265)
1010:OFF soundV(265)
1011:OFF soundV(16)
1100:ON soundV(265)
1101:ON soundV(265)
1110:OFF soundV(265)
1111:ON soundV(265)



6. FRI past mEmory iNjured heart -m-y-d-i-r-t-
arl/ilt.testament
高次元の存在——神なんてものは概念にすぎない。
私はこの目で見た。
世界が崩壊している景色を。
私は感じた。
全ての人が救われることはないということを。
私は聞こえた。
虚空の中からの数多の悲鳴を。



7. fri past mEmory iNjurEd heart -M-Y-d-i-r-t-
Silence/ForgettenArchive.testament
高次元の存在——神は存在する。
私はこの目で見た。
世界が再生されてゆく景色を。
私は感じた。
全ての人が救われる日が来たことを。
私は聞こえた。
慈愛があふれる空の向こうからの鐘の音が。







 私は8枚の手紙をそっと畳み、ゴミ箱の中へと入れた。

「思い出したじゃん。すべての記憶を」

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