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ameagari_fuhto 2022年08月27日(土) 01:14:02履歴
けたたましいサイレンの音が街に鳴り響き、ザワザワとした人混みが集まる中、私は独り立ち尽くしていた。
私は
知らない
誰かが
運ばれているのを
ただただと
見ている。
そしてそこで身体が沈む感覚と共に目が開いた。
目覚めの悪い朝。灰色の曇り空と身体の気怠さが日々の劣等感を増幅させる。
おかしいな、もう輝かしい未来など無いのに。すべてを捨てきった筈なのに。
まだ私の胸のざわざわが治まっていないが、気だるげに立ち上がり台所で顔を洗う。
”あの時”と呼ばれるときから今まで、鏡に見える私の顔は抜け殻のように映る。
――私は小さい頃から陰で暮らしていた。目立った人間関係も無く、孤独の毎日を過ごしてきた。学校に行っても特にすることはなく、昼寝か読書をするだけ。もちろん友達は居ない。
だけど、母だけは私を愛してくれた。
私は父の顔を見たことはなかったが、それでも母は悲しむ素振りを見せなかった。
そんな生活も、歯車が狂いだすのは一瞬だった。
それが、つい先日の出来事。今日の夢のシナリオ。
母が事故に遭った。私一人を置いて逝ってしまったんだ。
もうバカバカしいよね。私を愛してくれた世界でたった一人の存在が、他人の不注意で消し去られるなんて。
「……なんで生きているんだよ。なんで……私は生きて、母は死んだんだよ」
もう止め。こんな考えはもう止めだ。どうせ私に明日はないんだから。
そう言い残し、彼女はおもむろに包丁を手に取った。これで刺せば、私はこんな世界で生きなくてもよくなる。
覚悟を決めていたようだった。だけれどその手は震えていて、涙を流して。
身体の脱力感を感じながらその場で眠りについた。
……
…………
………………
机の上に一枚の紙が置かれてある。
包丁を持ったままの少女の横で読んでいく。
読み終えた私は煙草に火を付けて言った。
『■■。迎えに来たよ』
………………
…………
……
「……ん……ここは……?」
目を覚ますと、私は見知らぬ場所――廃れた工場のように見える――に居た。
周りを見渡しても、壊れかけの機械や崩れたコンクリートだけが置かれてある。
少し戸惑いながらも、私は辺りを散策することにした。
それにしても、私は今まで何をしていたっけ。
私は
知らない
誰かが
運ばれているのを
ただただと
見ている。
そしてそこで身体が沈む感覚と共に目が開いた。
目覚めの悪い朝。灰色の曇り空と身体の気怠さが日々の劣等感を増幅させる。
おかしいな、もう輝かしい未来など無いのに。すべてを捨てきった筈なのに。
まだ私の胸のざわざわが治まっていないが、気だるげに立ち上がり台所で顔を洗う。
”あの時”と呼ばれるときから今まで、鏡に見える私の顔は抜け殻のように映る。
――私は小さい頃から陰で暮らしていた。目立った人間関係も無く、孤独の毎日を過ごしてきた。学校に行っても特にすることはなく、昼寝か読書をするだけ。もちろん友達は居ない。
だけど、母だけは私を愛してくれた。
私は父の顔を見たことはなかったが、それでも母は悲しむ素振りを見せなかった。
そんな生活も、歯車が狂いだすのは一瞬だった。
それが、つい先日の出来事。今日の夢のシナリオ。
母が事故に遭った。私一人を置いて逝ってしまったんだ。
もうバカバカしいよね。私を愛してくれた世界でたった一人の存在が、他人の不注意で消し去られるなんて。
「……なんで生きているんだよ。なんで……私は生きて、母は死んだんだよ」
もう止め。こんな考えはもう止めだ。どうせ私に明日はないんだから。
そう言い残し、彼女はおもむろに包丁を手に取った。これで刺せば、私はこんな世界で生きなくてもよくなる。
覚悟を決めていたようだった。だけれどその手は震えていて、涙を流して。
身体の脱力感を感じながらその場で眠りについた。
……
…………
………………
机の上に一枚の紙が置かれてある。
包丁を持ったままの少女の横で読んでいく。
読み終えた私は煙草に火を付けて言った。
『■■。迎えに来たよ』
………………
…………
……
「……ん……ここは……?」
目を覚ますと、私は見知らぬ場所――廃れた工場のように見える――に居た。
周りを見渡しても、壊れかけの機械や崩れたコンクリートだけが置かれてある。
少し戸惑いながらも、私は辺りを散策することにした。
それにしても、私は今まで何をしていたっけ。