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ameagari_fuhto 2022年08月27日(土) 01:18:00履歴
晴れ晴れとした空が広がる暗黙街。そこで暮らす静華は農業地区に居た。
「へぇ……ここが農業地区か」
今朝、鉱沙さんから「農業地区に行ってこの書類を渡してきてほしい」と言われてここへ来たものの、いろんな作物が育っている農場だけが広がってる。どこに行って渡せばいいのやら。
静華はゆったりとした足であぜ道を進んでいく。普段暮らしている鉱業地区の道ははひび割れてしまったアスファルトで舗装されているのだが、初めて来るこの地区は草の生えた土の道が田畑の境を縫うように張り巡らされている。
さんさんと降り注ぐ陽光とほのかに香る風。この街に来て、初めての夏が来た。そう感じさせられる。
しばらくして、夏の空気を楽しむ静華の後ろから誰かの声。
「久しぶりだな」
「うわ、びっくりした」
冷たく鋭いようでどこかやさしさのあるような声。
振り返ると、そこには銅錆が居た。
「鉱沙から書類を受け取ったと聞いてな。この地区に来るのは初めてだろう。」
ピンと背を張って呟く。
「そうだけど……どうしたの?」
銅錆とは会うのはこれで数度目だ。だけれどやはり彼?彼女?の感情を読むことができない。
今回も何か意味があって来たのだとは思うが……。結局のところどうなのだろうか。
「俺が案内してやるよ」
「え、いいの?」
簡潔に、軽い回答をもらった。
「当たり前だ」
そう言い、銅錆はスタスタと歩く。今にも消えそうな足跡を追うように静華は後を追っていく。
「そういえば銅錆さんっていつもどこで暮らしているんですか?」
あえて他愛のないような会話を始めてみる。
「俺か?」
「そうです」
「普段は天津岳で暮らしている。何もない所で一人暮らしさ」
「あの天津岳ですか?」
「そうだ。あの……というかいつも見える天津岳だ」
「へぇ……あ、あれ、弟さんは一緒に暮らしていないんですか?」
一瞬、表情が固まった。
「……弟、か」
いつのまにか足も止まり、沈黙が時間を進ませる。
私は銅錆さんのココロの”何か”に触れてしまったか、と思い必死に弁明の言葉を頭の中で組み立てる。
そう思っていくうちに、銅錆さんの口が開いた。
「弟とは”ほぼ”縁を切ってるよ」
「そう……なんですか?」
「ああ。あいつとはもう居られないからな」
「まぁ……いろいろあったんですね……」
二人の間に沈黙が流れながらも、目的地に向けて歩いて行った。
ふと、銅錆が立ち止まった。
「……ここだ」
見上げると、所々錆びついたトタンで張り巡らされた倉庫のような建物があった。
「ここ……ですか?」
「ああ。ここに目的の人物がいるだろう」
その声と共に、コツコツと靴の音が響き渡った。
「あら、銅錆。久しぶりね」
誰かの声が聞こえた。
「へぇ……ここが農業地区か」
今朝、鉱沙さんから「農業地区に行ってこの書類を渡してきてほしい」と言われてここへ来たものの、いろんな作物が育っている農場だけが広がってる。どこに行って渡せばいいのやら。
静華はゆったりとした足であぜ道を進んでいく。普段暮らしている鉱業地区の道ははひび割れてしまったアスファルトで舗装されているのだが、初めて来るこの地区は草の生えた土の道が田畑の境を縫うように張り巡らされている。
さんさんと降り注ぐ陽光とほのかに香る風。この街に来て、初めての夏が来た。そう感じさせられる。
しばらくして、夏の空気を楽しむ静華の後ろから誰かの声。
「久しぶりだな」
「うわ、びっくりした」
冷たく鋭いようでどこかやさしさのあるような声。
振り返ると、そこには銅錆が居た。
「鉱沙から書類を受け取ったと聞いてな。この地区に来るのは初めてだろう。」
ピンと背を張って呟く。
「そうだけど……どうしたの?」
銅錆とは会うのはこれで数度目だ。だけれどやはり彼?彼女?の感情を読むことができない。
今回も何か意味があって来たのだとは思うが……。結局のところどうなのだろうか。
「俺が案内してやるよ」
「え、いいの?」
簡潔に、軽い回答をもらった。
「当たり前だ」
そう言い、銅錆はスタスタと歩く。今にも消えそうな足跡を追うように静華は後を追っていく。
「そういえば銅錆さんっていつもどこで暮らしているんですか?」
あえて他愛のないような会話を始めてみる。
「俺か?」
「そうです」
「普段は天津岳で暮らしている。何もない所で一人暮らしさ」
「あの天津岳ですか?」
「そうだ。あの……というかいつも見える天津岳だ」
「へぇ……あ、あれ、弟さんは一緒に暮らしていないんですか?」
一瞬、表情が固まった。
「……弟、か」
いつのまにか足も止まり、沈黙が時間を進ませる。
私は銅錆さんのココロの”何か”に触れてしまったか、と思い必死に弁明の言葉を頭の中で組み立てる。
そう思っていくうちに、銅錆さんの口が開いた。
「弟とは”ほぼ”縁を切ってるよ」
「そう……なんですか?」
「ああ。あいつとはもう居られないからな」
「まぁ……いろいろあったんですね……」
二人の間に沈黙が流れながらも、目的地に向けて歩いて行った。
ふと、銅錆が立ち止まった。
「……ここだ」
見上げると、所々錆びついたトタンで張り巡らされた倉庫のような建物があった。
「ここ……ですか?」
「ああ。ここに目的の人物がいるだろう」
その声と共に、コツコツと靴の音が響き渡った。
「あら、銅錆。久しぶりね」
誰かの声が聞こえた。